ウェットスーツブランド『4DIMENSIONS』が、株式会社Nakaeのプロデュースのもと、淡路島と石巻を舞台に持続可能な事業展開を目指し、再起動

再⽣可能エネルギー事業が軌道に乗り始めた頃、N-group代表の中江は、次なるステップを模索していた。当時、40歳代前半、⽶国カリフォルニアでのサーフトリップで、本場のカルチャーを体感し、知⾒を深めるとともに環境課題の解決に向けた新事業の萌芽を⾒つけたいと考えていた。

ウェットスーツブランド『4DIMENSIONS』が、株式会社Nakaeのプロデュースのもと、淡路島と石巻を舞台に持続可能な事業展開を目指し、再起動
ウェットスーツブランド『4DIMENSIONS』が、株式会社Nakaeのプロデュースのもと、淡路島と石巻を舞台に持続可能な事業展開を目指し、再起動

再⽣可能エネルギー事業が軌道に乗り始めた頃、N-group代表の中江は、次なるステップを模索していた。当時、40歳代前半、⽶国カリフォルニアでのサーフトリップで、本場のカルチャーを体感し、知⾒を深めるとともに環境課題の解決に向けた新事業の萌芽を⾒つけたいと考えていた。同⾏していた通訳から、中江が愛⽤していたウェットスーツのメーカーが、ブランドの譲渡先を探しているという話を聞いたのは、そんな折だった。そのブランドは、宮城県⽯巻市にある⼯場で⽣産されていた。東⽇本⼤震災の津波被害が甚⼤だった場所。復興⽀援により⼀度は復活したかに⾒えたが、そのまま事業を継続させることができない「何か」がそこにはあったのだろう。その⼯場には、佐藤周博(Kunihiro Sato)という世界トップレベルの技術者がいること知っていた中江は、彼に会ってみたい、と思った。

日本のウェットスーツ製造技術は、世界No.1と言われている。なかでも、40年に渡り、第一人者として活躍し続けてきたのが、佐藤周博だ。他社が真似できない独自のパターン開発・接合技術により、究極のフィッティング性能を誇る。中江は、佐藤と面会し、彼のものづくりへの徹底したこだわり、揺るぎのない真摯な姿勢に感銘を受けた。と同時に、その一切を妥協しない手の込んだ生産プロセスが、事業の継続性においては足枷となっていることも直感した。

中江は、株式会社Nakaeにてウェットスーツブランド『4DIMENSIONS』を継承することを決めた。
「単にブランドを買ったのではありません。佐藤さんの唯一無二の技術・クラフトマンシップを次世代に継承すること、また石巻という地場の産業を持続させていくことにチャレンジしていきたい…」。
佐藤の技術を活かし、いかに効率的な生産・供給体制を組み、健全な経営基盤を確立できるか…。それが、中江が授かったミッションだと考えた。

一方、佐藤は中江のオファーを有難く受けとめるとともに、ある人物の参画を打診した。日本のウェットスーツ市場黎明期、普及啓蒙に尽力し、その名を業界に知らしめた伝説の営業マン、山城哲郎(Tetsuo Yamashiro)だ。 山城は、若かりし頃、佐藤よりウェットスーツの「いろは」をたたき込まれ、その豊富な知識をベースに全国の販売店へ出向き、その価値を説いて回った。2020年、山城は60歳を目前に退職。第二の人生として、自身のキャリアを活かし、離島の環境共生・地域活性プロジェクトなどに協力していた。そんな時、佐藤から約20年ぶりに連絡が入った。中江と面談し、彼の熱意や起業精神を意気に感じた山城は、この取り組みに、残りの職業人生を賭けたいと思った。第二の人生のビジョンがより鮮明になり、拡がったようにも思えた。

中江は、その当時、もう一つ『淡路島のサーフィン仲間と協働し、地場の活性化を図る』という命題を自分に課していた。大鳴門橋でつながる淡路島は、車で30分程度で往き来できる隣接エリアだ。
「自然と共生し、人生を豊かにする、というサーフカルチャーの本質が、淡路島には息衝いている気がします。ここで出会ったサーフィン仲間の岸上君との交流がそう思わせたのかもしれません」。
岸上和生(Kazuo Kishigami)は、淡路島で漁師を営みながら、サーフショップも経営してきた人物だ。淡路島という地元を、サーフィンやアウトドア文化を通して、もっと魅力的な場所にしていきたい、と考えてきた。「環境価値・社会価値・経済価値の3つを創出するグリーンテックを、一緒にやっていけたらいいね」という中江のコトバに共感しつつ、公私に渡り、親交を温めてきた。

かくして、ウェットスーツ『4DIMENSIONS』を持続・発展させていく「人・もの・場所」が揃った。石巻と淡路島の二拠点で生産し、次世代に技術継承しながら、供給量を増やしていく。中江は、その構想をリアライズするために奔走した。生産効率を上げる施策の第一弾として、淡路島工場へのコンピュータ制御の大型裁断機の導入も決めた。また、中江、佐藤、山城、岸上の共通の志を示すべく、「1% for the Planet ※」への参画を表明した。自分たちの初心が、今後とも、決してブレたり、彷徨ったりしないように。
四人の意志と想いが紡がれたファクトリー兼サーフショップは、『Virture AWAJI(ヴァーチャー淡路)』と名付けられ、まもなく開業の運びとなる。

『4DIMENSIONS』オフィシャルサイト
https://4dwetsuits.com

※『1% for the Planet』
https://www.onepercentfortheplanet.org
「1% for the Planet」とは、自然環境保護に貢献するビジネスの奨励を目的とする非営 利団体(NPO)。イヴォン・シュイナード氏(パタゴニア社創設者)と、クレイグ・マシューズ 氏(ブルー・リボン・フライズ社オーナー)によって2002年に創設。参加企業および個人は 、年間売上の1%を環境保護活動に尽力する非営利の環境団体に寄付することで、自然環 境保護・回復に貢献できます。世界60か国、約5,500社(日本でも100社以上)の企業が参 画しています。

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